実際の掲載紙面
こちらがおまけで掲載の「花月」です |
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紀伊民報 2003年3月15日付 掲載内容
梅生育不良や温暖化問題など、梅農家を取り巻く環境が厳しさを増すなか、「自分の技術不足も痛感する。技術で克服できる課題もあると思う」と話す。
梅栽培には南部高校園芸科を卒業と同時に従事した。昨春、村果樹研究会(約650人)会長に就任。村内で年間2500トン出るという梅のせん定枝をたい肥にする試験を、先月末から始めた。
梅農家の2代目。一家6人で3・5ヘクタールの園地を切り盛りする。農園のホームページ(HP)も開いている。パソコンは15歳のころからの趣味。6年前にHPの大半を自力で立ち上げた。当初は農家の仕事を紹介するだけの内容だったが、船山一家の出来事をつづった日記や、農作業への疑問に答えるページなど、盛りだくさんの内容で充実している。
「HPを見た人たちからの要望にこたえているうちに、梅製品の注文を受け付けるコーナーまでできてしまった」
果樹研究会には23歳で加入。こつこつ積み重ねていく姿勢と、ねばり強い実行力が買われた。
せん定枝は農家が各自で焼却しているが、いつまで続けられるか分からない。個人でたい肥化するには高いコストが課題になる。研究会で実験し、良いたい肥ができるようなら共同で本格導入を、と意見がまとまった。
「もし2500トンものせん定枝がたい肥として生まれ変わるとなれば、本当に素晴らしいこと」と目を輝かせる。
2月末に実験に着手した。枝を細かく砕く機械を借り、もみ殻や尿酸など一緒に混ぜる物を変えて4種類のたい肥を作る。完熟するには半年近くかかるが、「成功すれば循環農業が構築できる。何より、自然に優しい取り組みで、産地のイメージアップにもつながる」と期待を寄せている。
消防団体、区役員、農業士会、農協出荷会役員など活動範囲が広く、「月の半分は会合」。「家内に任せきりなので」と、年一回の家族旅行を大切にしている。 |